特別ファンでもないのに、SMAPの会見を見てから、仕事中もそのことを考えてしまい、ふと油断すると涙が出てきそうになる。
実際、寝る前に一人になった時には泣いてしまう。
気持ちが整理できない。
事務所のいざこざがあることは、なんとなく知っていたけれど、こんなにも酷いとは思わなかった。
私は現在20代後半である。
物心ついた頃から、SMAPはTVの真ん中にいた。
歌って踊れて演技もできてバラエティもできて、なんでもできるSMAP。
5人それぞれに個性があって、魅力的なSMAP。
そんなSMAPが好きだった。
「SMAPの中で誰が一番好き?」
「昨日のスマスマ見た?」
「あのドラマ、かっこいいよね?」
学生の頃はこんな話題で盛り上がった。
他にもキムタクの真似をする男子がいたり、みんなでSMAPの曲を歌ったり。
バラエティに出れば、その辺のお笑い芸人よりも笑いをくれた。
先週のスマスマでも、大いに笑わかされたばかりだったのに。
SMAP解散報道が出て、いつものガセネタかと思えば違っていて。
いろいろな報道がされていたが、ファンたちの中居くん待ちのことばを信じてその日を待った。
そして、来たる1月18日。
スマスマが生放送された。
TVの前で5人のことばを聞いた。
印象に残ったもの。
慎吾ちゃんの、変な間。
中居くんの、やつれた表情。
つよぽんの、今にも倒れそうな顔。
そして、発せられた「ジャニーさんに謝る機会を作ってくれて」という発言。
なぜ彼らが謝らなければならないのだろう。
謝るべきはこんな状況を招いた人たちなのではないだろうか。
第一にタレントを守るのが仕事ではないのか。
あまりに理不尽だ。
怒りが沸いた。
一緒に見ていた母と文句を言い合った。
そして、母は寝室へと入り、一人になった。
TVの画面には、騒動前に収録されたビストロスマップが流れていた。
5人とも楽しそうだ。
それを見て、私は悲しくなった。
涙が流れた。
ずっとずっと、テレビっ子な私を楽しませてくれたSMAPが、あんな顔をしていた。
SMAPは、歳をとってもSMAPだった。
私も大人になって、裏では何かとあるんだろうとわかったけれど、それでも、楽しませてくれた。
そんな5人の顔は、もう私の知ってるSMAPではなくなってしまった。
私の好きなSMAPは、もう死んでしまったのだ。
これからもし、5人でSMAPとして活動しても、この日のことを思い出して、私はこころから楽しめないだろう。
それは、SMAPだけではなく、ジャニーズに所属している他のアイドルたちもそうだ。
ジャニーズばかりでなく、他の芸能人も、裏ではどんなで立場にいるのかと考えてしまう。
もう、エンターテイメントを純粋に楽しめなくなってしまった。
私が応援すればするほど、彼らはそれに応えようと、大きなものを犠牲にしているのではないか。
今回の謝罪は、解散しないで、という私たちの声によって生み出されてしまったのではないか。
あんな姿を見せてまでして、SMAPを続けようと、5人が選んだ道ならば、応援はしたいけど。
ひどく辛いのだ。
私が楽しんでいる何かの裏には、地獄があるのではないか。
あの会見を見て、見ている世界が歪んでしまった。
怖くなった。
今、なんだか楽しく生きられない。
でも、きっと私は忘れてしまうだろう。